葵と楓048:潮来笠&ソーラン節

aoitokaede1789 12. September 2011 1 Aufruf

Beschreibung

日本音楽豆知識048
「鳴子」というものは,日本音楽史で重要な存在です!
一般的には,鳴子とは,短い竹筒を小さな板に取り付けたもの。縄を引いて音をたて,鳥・猪・鹿を追い払うもの。古くは,引板(ひた)ともいった。平安末の,「扇面法華経」(せんめんほけきょう)の絵にも出て来る。この絵の中では,扇を持ち唐衣を着て,もの想いにふけりながら,優美に鳴子の音を聴くというものである。ほかには,秋になって,稲刈りにシーズンになり,山里では稲刈りの歌が聴こえる。そのようなおりに,かつていた土地と同じような鳴子の音が懐かしく耳に届く。といった場面が,源氏物語・浮舟で出て来る。前者は,歌材として,後者は,労働の場として区別できる。さらに,室町時代の「閑吟集」では,鳴子引きを歌う歌謡といったものが出現する。
いとど暇なき秋の夜に
月入るまでと引く鳴子
・・・
なお引くものを歌はんや
狂言「鳴子」においては,太郎冠者と次郎冠者が,山田に鳥を追いにやられる。女房の差し入れで酒が手にはいる。酒に酔って,鳴子を引きながら,引くもの尽くしの小歌を歌う。見つかった後は,二人は,鳴子の縄を使って,主人から逃げ出す。
村落の農耕祭りの祭祀に,鳴子歌はずっと歌い続けられた。神歌としての性格もあって,「鳴子」の歌という存在には,歴史的に驚くほど深いものが隠されている。
参考文献:走る女,歌謡の中世から(馬場光子)